![]() |
|||||
![]() |
|||||
![]() |
|||||
トピックス#
88: 不動産/共有・境界確定・筆界確定
R07.1.25
境界は、二つの意味をもっています。所有権の及ぶ範囲を示す線(私法上の境界)と土地の同一性を確定するための線(公法上の境界「筆界」)です。
私法上の境界は、隣接する土地所有者同士の合意等により変更が可能です。そのため、公法上の境界とは必ずしも一致しません。例えば1筆の土地の一部を売買したのにかかわらず、
分筆・合筆登記がされていなかったり、土地の一部が時効取得されたのに、分筆・合筆登記がなされないままになっている場合に、私法上の境界と公法上の境界が異なる状態となります。
私法上の境界に関する争いがある場合には、境界確定の訴えを提起し、裁判所の判断によって境界が決められます。土地が数名の者の共有に属する場合には、境界はその全員につき合一に確定すべきとされ、 共有者全員の訴訟参加を要する固有必要的共同訴訟とされています(最判昭和46年12月9日)。仮に、共有者のうちの一部が原告として訴えを提起することに同意しない場合には、 同意しない者を被告にして訴えを提起できます(最判平成11年11月9日)。 公法上の境界である筆界は、筆の範囲を画する概念であって、公的に決められます。同一地番の土地の中には境界は存在せず、相隣者間の合意があったとしても、 これを変更することはできません(最判昭和42年12月26日)。筆界については、筆界特定制度が導入されています。筆界特定登記官が、所有権の登記名義人等の申請により、 筆界調査委員の意見を踏まえて、筆界の現地における位置を特定する不動産登記法上の制度です。筆界特定制度の手続は、申請によって開始するところ、共有者の一人から単独で申請をすることが可能とされています。 ![]() |
|||||
| |||||
|