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トピックス# 70: 外国人労働者・不法就労助長罪
R03.6.20
 外国人が日本国内で適法に就労するためには就労が認められる在留資格を得ている必要があります。就労が認められる在留資格として、 「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」があります。ブラジル、ペルーなどの二世、三世の日系人は、「日本人の配偶者等」または「定住者」の在留資格により、 単純労働をふくむ就労が可能とされています。また、第二次世界大戦前から日本に在留する外国人(在日韓国人・朝鮮人など)で、平和条約発効により日本国籍を離脱した者及びその子孫は「特別永住者」として、 就労が可能です。その他の外国人は、原則として在留資格で認められた活動しかなしえません。もっとも、出入国在留管理庁長官の許可を得て資格外活動に従事することも一定範囲で認められており、 例えば、留学・就学の在留資格で在留する者も資格外活動の許可を受ければ、1週28時間以内等の限度でアルバイトに従事できます。単純労働に従事する外国人労働者については制限する一方、 高度の技術をもった外国人労働者については積極的に受け入れる政策を展開してきたものです。
 ところが、平成30年入管法改正により「特定技能」という在留資格を新設し、方針を大きく変更しました。 すなわち、特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人を「特定技能1号」として、介護・建設・造船・宿泊・農業・外食産業等の14分野について、 上限5年までの在留を認めることとしました。特定技能1号の場合は家族の帯同は基本的に認められません。また、熟練した技能を要する業務に従事する外国人を「特定技能2号」として、 在留期間の更新の制限はなく、家族の帯同も認めることとしています。
 他方、観光ビザで来日し、単純労働等に従事する不法就労者が増加したため、平成元年の入管法改正により、不法就労助長罪を設けるなどして、不法就労についての取締りを強化しました。
 入管法では就労資格のない外国人の就労を助長する一定の行為が以下のとおり刑事罰の対象とされています。
「次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(同法73条の2)。
一 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
二 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置 いた者
三 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあっせんした者」
 法人の代表者または法人の従業者などが上記罪を犯したときは、当該行為者を罰するだけでなく、当該法人についても300万円以下の罰金を科されることがあります(同法76条の2;両罰規定)。
   平成21年入管法改正では、在留カードに就労制限の有無や資格外活動許可の有無が記載され、容易に就労の可否を確認できることとなったことから、確認が不十分なまま不法就労助長行為を行った者についても、 その処罰を可能とする規定が設けられました。それが不法就労外国人を雇用した事業主が不法就労にあたることを知らなかった場合でも、 そのことについて過失がない場合を除き処罰を免れない旨を規定した同法73条の2第2項です。

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